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2012年6月13日水曜日

やっちゃれ やっちゃれ


これは図書館で借りました。
以前、忘れましたがどこかの首長さんが推薦していたので、読んだのです。

高知県、私は行ったことありませんが、坂本竜馬の国ですね。
この高知県が独立する、という話です。

全くのフィクションかと思って読んでいくと、現在日本の地方自治の問題点、例えば、地方交付税交付金制度が、どれだけ地方を国に頼らなければいけない状態にしているか、という問題点を、はっきりさせてくれたりして、意外と勉強になります。

地方自治の独立性というものが叫ばれてだいぶ経ちますが、どれだけ独立性が保たれているのでしょう?
財政破たん寸前の自治体は多く、国からの補助金で何とかつながっているところもあるでしょう。
補助金をもらうということは、それだけ国の指図に従わざるを得ない・・・。

この小説は、四国の1県に過ぎない高知県(ググればわかりますが、高知県は産業規模の大きさは全国で下から2、3番目です)が、もし、独立国として出発したらどうなるか、をリアル?に書いています。

日本人でなくなるのか? パスポートは? 戸籍や年金はどうなる? 通貨は? 経済は?

でも小説ですのでちゃんとストーリーもあります。
途中、「えっ!」と驚くシーン(ありえない展開)があります。

ただ、高知県が独立するのは無理があるなあ。
沖縄とか、九州、北海道とかなら現実味があって面白い。

沖縄なら台湾と貿易して経済は何とかやっていけそうだし、九州なら中国・韓国との貿易で、北海道ならロシアと組んで北方領土を特区にしてエネルギー開発で独立する。

地域経済が活性化すれば、別に独立しなくても連邦制とかでやっていけば良い、と思ったのが、この本を読んだ感想でした。






2011年12月20日火曜日

Twelve Y.O.




福井 晴敏氏の本の中では、これが一番好きです。
亡国のイージス 」、「終戦のローレライ」は映画にもなりましたが、これは映画化は無理でしょう。
私は10年くらい前に読んだのですが、そのスケールの大きさに驚いた。

あらすじはこちらに素晴らしいサイト を見つけたのでどうぞ。

テーマは深い。 
自立できない日本。 アメリカに、全て安全保障をまかせっきりにしている、平和ボケの日本。 
そんな中、アメリカ国防総省に本気で戦いを挑んだ、ひとりの日本人。
最強のコンピューターウイルスと、最強のテロリスト。

テロリストの秘密兵器が、超人的な能力を持った少女というのも、「終戦のローレライ」に通じるところがありますね。
その少女の戦うシーンがとても印象的でした。 
特に閃光弾を使って数十人のアメリカ兵をやっつけるところとか。
高速道路にダンプを止めて荷台の土砂をばらまいて、敵の動きを止めるところとか。

ただ、途中で一部、話が読めてしまったのでちょっと残念。
ブッシュ大統領(父の方)が、第二次大戦中乗っていた戦闘機が日本軍機に撃墜され、九死に一生を得たこと、後にCIA長官を務めたこと、をちょうどその前に読んだ本で知っていたので、なんとなく話の筋が読めてしまった・・・。

でも、とても楽しめる小説です。 読み後味、すっきりします。
第44回江戸川乱歩賞受賞、だそうです。


2011年11月5日土曜日

ワイルド・ソウル


この小説は、お勧めです。
ハードボイルド小説、のジャンルになるんでしょうが、ストーリーの背景は実話に基づいています。

戦後、日本政府は、貧しい農村の人々を対象に、南米の国々への移民政策を進めた時期がありました。 「日本にいるよりも稼げる、広大な土地で成功して家族に恩返ししてみないか」
そういう甘い言葉と、日本政府が奨励しているのだから大丈夫、という気持で、数万人にも及ぶ日本人が、地球の反対側の見知らぬ国へ送られていったのです。

しかし、いざ到着してみると騙されたことに気が付きます。
ジャングルの奥深くへ連れて行かれ、用意されるはずの土地はまだ開墾されてなく、飢餓と風土病が移民たちを襲います。
それでも皆で協力して畑を耕し、作物を作りますが、雨期の嵐で全て流されたりして全滅。
日本政府の役人たちは彼らを助けようとはせず、逆にジャングルの中に棄てることでこの移民政策の失敗を隠そうとします。

と、ここまでは真実です。 
私もこの本を読むまで、そんな恐ろしい事実が存在していたことを知りませんでした。
しかし、何年か前、ドミニカ移民の裁判がニュースになっていたことを思い出しました。
ドミニカ共和国の日本人移民たちの運命はもっと悲惨だったそうです。
奴隷同然のような生活を余儀なくされていたそうです。

さて、ワイルド・ソウルの話に戻ります。

上巻ではこのような、戦後ブラジル移民の苛酷な運命を中心に話が進み、ちょっと思い気持になります。
下巻では、この移民の生き残り、当時子供だった男たちが中心になって、日本で外務省や当時の役人たちに復讐をする物語になります。
テレビ局の女子アナと移民の二世(これがスケベ)の掛け合いが、暗い雰囲気を明るくしています。

復讐というと怖いイメージですが、残酷なシーンは出てきません。
これくらいの復讐なら、あってもいいかな、と(実際やったら即逮捕ですが)思えてくる内容です。

全体的に、この小説は男性向きです。 女性は苦手かもしれません。
でも一度読むと、アマゾンのシーンなどが脳裏に焼き付いて離れなくなるでしょう。
インパクトのある小説です。