2014年9月15日月曜日

日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫)


高校のとき、社会は、地理と日本史と世界史からひとつ選ぶ、そんなだった気がします。
あくまで受験用の科目でした。
大人になってから、歴史を受験と関係なくなってから、改めて歴史に興味を持ってきました。

で、歴史と言えばどうしても人物に焦点が行く、かもしれません。
大河ドラマなども、人物を中心に、そのとき歴史が動いた、みたいなドラマが構成されています。
でもよく考えれば、歴史とは文化が作るもの、文化は人間が作るもの、その裏には政治・経済・戦争・農業・天変地異、などなどがあります。

なぜ、江戸は栄えたのか?
関東平野が広大で稲作に適していたから?
でも、家康が関東を与えられたとき、当時の関東平野は湿地帯で水はけも悪く、とても農業に適した土地ではなかった。
江戸が栄えたのは、徳川歴代将軍が敢行した、灌漑プロジェクトのおかげ。

元寇でモンゴル軍が日本を征服できなかったのはなぜか?
神風が吹いたから?
いや、最近の研究では、モンゴル軍は九州に上陸し、日本の武士と戦っていたことが明らかになっています。
しかし、牛車をずらっと並べ、騎馬戦隊からなるモンゴル軍にとって、上陸した九州の湿地帯は、戦いに不利だった。
沼に足を取られ、動きがなかなか出来ないところに、地元の武士にやられる。
世界最強の騎馬戦隊を持ち、大陸の草原で戦ってきたモンゴル軍にとって、日本の湿地帯での戦いは初めてだったのかもしれない。
台風が来たという記録もあるから、大雨の中、足元の悪い泥沼での戦い。
火薬も湿気ていたかもしれない。
モンゴル軍が苦戦するのも無理は無い。

皇居の正面玄関はどこか?
東京に住んでいるひとならなじみ深い皇居。
東京駅に近い、皇居前広場があるほうが正面玄関だと思っていませんか?
でも江戸時代、今の東京駅があるところあたりは、海岸線だったんですよ。
そんな海の近くに正面を構えるでしょうか?

で、ちょうど反対の半蔵門。
ここは新宿通りに面しています。
その近くには麹町警察署。
麹町といえば、江戸時代、旗本が多く待機していたところです。
いわば、将軍を守るための警察部隊の屋敷があったのです。
警備上からもこの半蔵門から将軍が出入りしていた可能性が高い。
ちなみに半蔵門の名の由来は、家康の命の恩人、服部半蔵から来ているとのこと。

今も、天皇陛下は半蔵門を使っているそうです。
皇居前広場からつながっている坂下門は、あくまでも客人を招き入れる門だとのこと。

なるほどねえ。

2014年9月11日木曜日

そうか、君は課長になったのか。

大体わかると思いますが、私も課長になったばかりのころ、この本を手にしました。
著者は東レ経営研究所の社長にまでなった佐々木常夫氏。
東レ経営研究所といえば、民間メーカー系シンクタンクとして有名です。

この本は、先輩上司が、課長になったばかりの後輩に向けて、自分が課長時代のことを振り返りながらアドバイスを語る内容です。

正直言うと、私の今いる会社と、この本に出てくる会社はサイズが異なります。
この本に出てくる会社は、日本のいわゆる大企業、または官公庁がモデルになっています。
新人採用で、良くも悪くも年功序列。
営業部、総務部、人事部、製品開発部、国際部、などなど、部署がたくさんあって派閥や昇進競争があったりする、「ザ・日本企業」です。

私の場合は4月入社というのは経験が無く、いつも中途採用。
比較的サイズが小さい会社なので、任せられる仕事の種類も多い。
縦割りではありませんし、年功序列でもない。

だからこの本が役に立たなかったか、というとそうでもありません。

私の今の職場は、社員は皆、20代後半~40代前半+α。
平均は30代
ということは、普通?の企業にいると思う、バブル世代や団塊の世代がいないんです!!

これはですね、私は、とても危惧すべきだと思うんです。
うるさい親父的な、でも気遣ってくれる、人生経験豊富な上司がいない。

うーん、まあ、部署を越えれば、いないことはないか(笑)。

電車でこの本を読むと、「あ、こいつ課長になったんだな」って思われるので、こっそりひとりで読むことをお勧めします。


2014年9月5日金曜日

ビジネス英語 フレーズ 800


この本を書いたのは、私が尊敬する、杉田敏先生です。
1987年、NHKラジオ第2で「やさしいビジネス英語」という番組が始まりました。といっても当然、私はまだ当時の放送は知りません。

本格的に聞き出したのはいつでしょう? 社会人になってからかな? それとももうちょっと前かな?
とにかくわかりやすい、続けやすい、ラジオ英語教室でした。
「やさしい」と名前がつくものの、NHKの英語講座の中では最も高いレベル。

今は番組名も変わっているそうです。

そんな杉田先生に、先日お会いする機会がありました。
緊張しましたね。 でもとてもやさしい紳士、といった感じです。

この本は、杉田ファンのみならず、ビジネスの現場でちょっとした英語のフレーズを知っていたらいいな、と思う方にお勧めです。

私はアラフォーですので、もう10代、20代の詰め込み記憶術は効きません。
英語は使って慣れろ、ですので、この本に書いてあるフレーズをどんどん試そうと思います。
一度使うと、その状況・環境を含めて覚えるので、忘れません。




2014年9月4日木曜日

コンサルタントの秘密―技術アドバイスの人間学

著者はITコンサルタントです。 でも述べている内容は非常に幅広く、コンサルタント業をしていないひとでも面白く読めると思います。

何といっても語り口が自然。 翻訳が良いのかな。

営業に使える知識がたくさん詰まっています。 
質問力、対話力、とでもいうのかな。
モノやサービスを売るとき、顧客のニーズを把握していないと売れませんよね。
でも顧客のニーズは生き物なんです。
これは私も経験があります。

以前、受託解析ビジネスで働いていたときのことです。
最初の打ち合わせで決めたことを、しばらくして納期が迫ったとき、顧客はいとも簡単にひっくり返して、さらに上を求めてきたのです。
でもそれは、私が最初に顧客のニーズを完全に把握していなかった、からではありません。
(もちろん把握していなかった可能性も0ではありませんが)

途中経過を報告したとき、顧客も勉強して、もっとこうしたら良かったのでは? と思うようになったのです。
で、最初の打ち合わせのときと、顧客のニーズは変わってしまった。
今度はそれに応えないといけない。

多分、似たようなことは一般社会でも多くあるでしょう。

先端技術やハイテク産業、IT・ソフトウェア産業は、顧客のニーズはくるくる変わりますよね。

コンサルタントのみならず、そんな産業で営業している方は読んでみて損は無いと思います。



2014年8月28日木曜日

まず、ルールを破れ―すぐれたマネジャーはここが違う

マネージャーとはどんな仕事か?
管理職とはどんな責任が要求されるのか?
マネージャーとリーダーの違いとは?

述べられている内容はアメリカのマネージャー論なので、日本とは若干、というかかなり異なります。
が、外資系企業と付き合っている私にとって、これはとても役に立ちます。

部下を管理する必要は無い。部下の能力を最大限に引き出す環境を作れるのが、優れたマネージャーである。

Totally Agreeです!

会社によって、文化がありますよね。
日本企業は社風というのがはっきりしている気がします。
訪問すると、社員が生き生きしている、そんな会社があります。
働く環境が良い、というのでしょうか。
そういう会社・部署は、きっと優れたマネージャーがいて、部下にある程度裁量を与えているのでしょう。


この本は、日本語訳も素晴らしく、読みやすかった。
いわゆる経営論ではないので、経営者が読むと誤解するかもしれません。
上を目指す全ての中間管理職向け、かな?

でも繰り返しますが、内容はかなりアメリカ的なので、日本で通用しないことも多い。



2014年8月20日水曜日

ストーリーとしての競争戦略

世に成功しているビジネスとはどういうものだろう?
そんな興味を持って手にした本です。

共通するのは、しっかりしたビジョン、ストーリーを持ったビジネスだということ。
その業界で一番のシェアを取っている企業ではないけれど、自分たちが得意とするところを最大限生かして、確固とした存在感を持っている企業が、私は好きです。

この本には、例えば、私の好きなスターバックスが出てきます。
なぜスターバックスは、ゆったりとしたソファや、スペースがあるのか?
なぜフランチャイズ制を取らずに直営でやっているのか?
そこには確固とした信念、ストーリーがあるからです。

私の高校時代の友達も、一時スタバで店長をやっていました。
彼女のコーヒーに対する知識・思い入れはすごかった。

日本人が書いた経営書です。 若干説明に冗長性を感じましたが、面白く読めました。




2012年7月4日水曜日

悪い本

「悪い本」、これは絵本です。

怪談絵本というジャンルです。
子供向けではありません。
でも、ある程度の年齢なら、読んでも大丈夫かも。

できれば買って、夜、独りのとき、読んで下さい。
そのとき、声に出して読んで下さい。

きっと怖い。

何か意味深な文章。
途中の絵の不気味さ。

子供って、怖いときありますよね。
無表情な子供の顔は、怖い。
それは、子供は常に無邪気で、表情豊か、っていう先入観を大人が持っているから。

でも子供って、残酷な一面もありますよね。
良く見るでしょう、アリを殺すのに夢中になっている子。
そうやって、ちゃんとした大人になっていく。